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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
子宮体癌 当院で経験したAtypical Polypoid Adenomyomaより発生した類内膜腺癌の7症例の検討
川口 牧子, 進 伸幸, 山上 亘, 平尾 健, 玉田 裕, 阪埜 浩司, 鈴木 淳, 鈴木 直, 久布白 兼行, 塚崎 克己, 青木 大輔, 吉村 泰典
慶應義塾大学病院産婦人科
Atypical Polypoid Adenomyoma(以下APAM)は,子宮体部下部に有茎性ポリープ状に発育することが多く,病理所見では,構造異型を伴う腺の増殖と,内膜間質細胞の平滑筋への化生がみられる.生殖可能年齢に多く発生し,不妊症治療の経過中に発見されることも多い.また,一部にtype1類内膜腺癌を伴うことがある.今回我々は,APAMに類内膜腺癌Grade1を合併した7症例(2000〜2004年)を経験したのでその診断法,治療経過について報告する.発症時の平均年齢は38才であり,外科的治療法としては,transcervical resection(TCR)と子宮内膜全面掻爬術を行った症例が4例,開腹にて子宮壁切開,腫瘍切除術を行った症例が1例,子宮全摘が2例であった.子宮を温存した5例に対し,術後高用量プロゲステロン療法を施行し,そのうち1例に内膜に再発を認めた.無再発の5症例のうち1例が妊娠に至り挙児を得ることが可能であった.APAMに類内膜腺癌の合併が疑われる場合,病理学的に鑑別を要する疾患として,筋層に浸潤した内膜癌,癌腺維腫,腺肉腫が挙げられる.妊孕性温存の適応を検討する上で,鑑別診断法としては,TCRにて病変を切除するだけでなくその基部を追加切除し筋層浸潤の有無を検索する方法が,有用であることが示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
381-381, 2005
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