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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
子宮悪性腫瘍(2)
止血に苦慮し緊急手術を施行した子宮体癌の一例


細川 有美, 袖本 武男, 中尾 美木, 橋本 耕一, 星野 寛美, 斉藤 一夫, 香川 秀之
関東労災病院産婦人科


 子宮体癌の症状として最も多いものの一つが不正出血であるが,大量出血を来たす事は比較的稀である.今回我々は大量の子宮出血の止血が困難で緊急手術で子宮全摘を施行した一例を経験したので報告する.症例は65歳,2回経妊0回経産,閉経50歳.既往歴として深部静脈血栓があり,60歳時よりワーファリン1mgを内服していた.不正出血を主訴に2005年2月21日に近医を受診した.子宮頚部・内膜細胞診はいずれも異常なくホルモン剤投与にて一時止血したが,再び出血し4月25日に当院を紹介初診となった.診察時,子宮内腔より少量出血を認めた.子宮は軽度腫大し,両側付属器は触知しなかった.経腟超音波検査上3cmと子宮内膜の著明な肥厚を認めた.同日施行した子宮内膜組織診は類内膜腺癌(G1)であり,腫瘍マーカーはCA125 3109 IU/ml,CA19-9 6600 IU/mlと高値を示した.不正出血が増量したため5月3日救急外来を受診し,子宮内より血塊を含め多量の出血を認め入院管理とした.腟内にヨードホルムガーゼを充填したが出血量は減少しなかった.ワーファリン内服を中止し,翌日にビタミンKの点滴を行ったが600 ml/日の出血が続き連日輸血を施行.5月7日に出血量が1700 ml/日と増加したため,5月8日に止血目的で子宮動脈塞栓術を施行し,同時に下大静脈フィルターを留置した.子宮動脈塞栓後も出血量が減少せず,緊急手術の方針とした.腹式単純子宮全摘術及び両側付属器切除術を施行.病理診断は類内膜腺癌1c期(G1)であった.後療法として放射線療法(全骨盤50 Gy)施行後,現在は外来で経過観察中である.子宮体癌患者の管理において本症例の様な大量出血を来たす可能性を考慮する必要があると考えられる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 382-382, 2005


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