子宮悪性腫瘍（2）　NACが有効であった子宮体部癌肉腫の2例｜一般社団法人関東連合産科婦人科学会

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第110回学術集会（平成17年10月15日(土)，16(日)）

【一般演題】
子宮悪性腫瘍（2）
NACが有効であった子宮体部癌肉腫の2例

小野　重満^1）, 新井　正秀^1）, 金井　督之^1）, 新井　努^2）, 今村　庸子^1）, 上坊　敏子^1）, 海野　信也^1）
北里大学医学部産婦人科^1）, 北里大学大学院医療系研究科産婦人科^2）

　遠隔転移または巨大腫瘤を形成した子宮体部癌肉腫にneoadjuvant chemotherapy（NAC）が有効であった2例を経験したので報告する．【症例1】55歳．閉経54歳．半年間続き徐々に増加する黄色帯下を主訴に近医受診し，子宮筋腫と診断され手術すすめられるも放置．1年後に腹部腫瘤を触知し当院紹介受診．臍部に達する巨大な子宮腫瘤を認め，さらに内腔から子宮腟部に腫瘍が露出していた．内膜組織診で低分化腺癌と内膜間質肉腫が共存する癌肉腫と診断．画像上鼠径リンパ節転移を認めたため，臨床進行期はIVb期と診断した．Docetaxel 70 mg/m2，Carboplatin（AUC6.0）併用療法を3週毎3コース投与した所65％の腫瘍縮小を認めた．準広汎子宮全摘術，両側付属器切除術，骨盤内リンパ節廓清，傍大動脈リンパ節廓清を施行．漿膜までの浸潤，右卵巣に転移があったためpT3aN0M0と診断した．【症例2】55歳．閉経前．以前から子宮筋腫を指摘されていた．無尿を主訴に近医泌尿器科を受診し，当院紹介．内膜組織診で未分化肉腫と診断したが，子宮は小手拳大から，双手拳大まで急速に増大し，内診上可動性不良であった．Taxol 180 mg/m2，Carboplatin（AUC6.0）併用療法を3週毎に2コース施行後50％の腫瘍縮小を認めた．準広汎子宮全摘術，両側付属器切除術，骨盤内リンパ節廓清，傍大動脈リンパ節廓清を施行．摘出子宮には未分化肉腫と共に高分化類内膜腺癌が残存していた．腹腔細胞診陽性のためpT3aN0M0と診断した．2例とも術後化学療法を追加施行中であるが，現在再発は認めていない．【結語】大きな腫瘤を形成し手術が困難な子宮癌肉腫に，タキサン系化学療法薬，Carboplatin併用のNACは有効であることが示唆された．

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 383-383, 2005

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