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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))
【一般演題】
悪性腫瘍・その他(1) 卵巣腫瘍における術中病理診断の後方視的検討
楠原 淳子, 山田 恭輔, 矢内原 臨, 岡本 三四郎, 三沢 昭彦, 大黒 信依, 田部 宏, 高倉 聡, 落合 和徳, 田中 忠夫
東京慈恵会医科大学産婦人科
卵巣腫瘍の術前・術中診断において,良悪性の判断がつかない場合は術中迅速病理検査を行うことが推奨される.卵巣腫瘍における術中迅速病理検査の意義は,腫瘍の組織型,分化度の情報をもとに,良性腫瘍か悪性腫瘍もしくは境界悪性腫瘍であるかにより術式選択を検討できることにある.今回我々は,卵巣腫瘍における術中迅速病理検査の診断精度について後方視的に検討した.対象は,2007年6月までの5年間に当科で卵巣腫瘍の診断にて手術を施行し,術中迅速病理検査が行なわれた300例である.その内訳は,良性腫瘍と診断されたものが200例,境界悪性腫瘍が35例,悪性腫瘍が65例であった.境界悪性腫瘍と診断されたものの永久標本において悪性腫瘍と診断されたものは3例で,良性腫瘍と診断されたものは1例であった.また,境界悪性腫瘍については組織型によるpositive predictive valueも検討した.境界悪性腫瘍における術中迅速病理検査には限界があり,その正誤率を加味したインフォームド・コンセントおよび対応が必要になると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3)
320-320, 2007
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