|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第114回学術集会(平成19年10月14日(日))
【一般演題】
悪性腫瘍・その他(1) 卵管原発癌肉腫の一例
古屋 直樹1), 和田 康菜1), 小林 陽一1), 吉岡 伸人1), 奥田 順子1), 大原 樹1), 鈴木 直1), 小野 晃子2), 干川 晶弘2), 高木 正之2), 木口 一成1), 石塚 文平1)
聖マリアンナ医科大学産婦人科1), 聖マリアンナ医科大学診断病理学2)
原発性の卵管癌は婦人科悪性腫瘍の中で約1%未満と比較的まれな疾患である.中でも癌肉腫はまれであり,特徴的な症状や検査所見に乏しく術前に診断することは困難で,進行例での発見が多く予後は不良とされている.症例は,71歳,3経妊3経産.不正出血のため前医受診し,約8cm大の骨盤内腫瘍を指摘され当院に紹介となった.画像上は卵巣を中心とした骨盤内腫瘍が疑われ,血液検査上はNSE;14.2と軽度上昇するのみで,その他は優位に上昇する腫瘍マーカーはなかった.精査の結果卵巣癌を疑い手術施行試行した結果,両側卵巣は正常大であり,肉眼的には異常は認められず,腫瘍は卵管を巻き込むように存在した.迅速病理診断上は肉眼所見と合わせて卵管を原発とする悪性腫瘍が疑われため,単純子宮全摘術,両側付属器切除術および大網切除術施行した.病理組織学的には卵管癌肉腫(異所性癌肉腫)と診断とした.なお腹水細胞診は陰性であり,進行期分類は1a期(pT1aN0M0)であった.術後は追加療法施行せず外来にて厳重に観察中である.今回我々は,術前に卵巣癌を疑った卵管癌肉腫の一例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3)
321-321, 2007
|