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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
奨励賞候補演題I
経腟超音波断層法で診断が困難な子宮外妊娠の術前診断におけるMRIの有用性の検討


黒田 雅子, 黒田 恵司, 地主 誠, 熊切 順, 菊地 盤, 北出 真理, 武内 裕之, 竹田 省
順天堂大学産婦人科


 【目的】経腟超音波断層法とhCG値の迅速測定により子宮外妊娠の早期診断が可能となった.しかし,着床部位が不明で子宮内妊娠との鑑別に苦慮する症例も未だ少なくない.子宮外妊娠の着床部位および性状診断におけるMRIの有用性を検討した.【方法】2001〜2007年まで当教室において治療した子宮外妊娠135例中,着床部位の確認のため術前にMRIを施行した12例を対象とした.その内訳は,着床部位が不明の8例,間質部妊娠と角部妊娠との鑑別のため撮像したのが4例であった.いずれも経腟超音波断層法では,着床部位の確実な同定が困難であった.【結果】対象の平均年齢32.0±6.7歳,妊娠週数7.1±1.1週,術前血中hCG値20723(475-75044)mIU/ml,着床部位は卵管膨大部3例,峡部3例,間質部4例,卵巣1例,脾臓1例であった.すべての症例で,MRIによる外妊着床部位の同定が可能であり,診断に引き続き施行した手術時に確認した着床部位と完全に一致していた.MRIの撮像パターンによる分類では,すべての症例で外妊腫瘤はT1w:low,T2w:highとして描出され,その腫瘤周囲にT1w:high,T2w:high(出血パターン)が3例,T1w:high,T2w:low〜iso(sheddingパターン)が2例に認められた.外妊腫瘤周囲の出血を疑った5例の中で卵巣妊娠の1例を除く4例は流産型であった.外妊腫瘤がT1w:high,T2w:highを示したものは卵巣妊娠の妊娠黄体であった.【結論】MRIは子宮外妊娠の着床部位の発見に有用であり,その特徴的なパターンはT1w:low,T2w:highであった.また外妊腫瘤周囲を確認することで,外妊の性状を予測することができた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 121-121, 2008


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