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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))
【一般演題】
奨励賞候補演題I 当院における羊水穿刺症例の検討
西岡 暢子, 稲垣 徹訓, 渡り 綾子, 平井 千裕, 黒田 雅子, 太田 篤之, 糸賀 知子, 小堀 宏之, 長澤 敢, 山本 勉
越谷市立病院産婦人科
当院において2004年1月から2007年12月までに行った羊水による胎児染色体検査90例について検査理由,検査時期,母体年齢,検査結果等について検討した. 検査時の母体年齢は35歳以上が56例,35歳未満が34例であった.検査時期は14週から20週が81例,22週以降が9例だった.検査理由は高齢32例,クアトロ検査陽性21例,異常児出産例7例,超音波異常所見(Nuchal translucency≧3mm,Cystic hygroma,羊水過多,心奇形,横隔膜ヘルニアなど)21例,その他9例であった.羊水穿刺に際しては,方法・目的・リスク・費用について説明し,インフォームドコンセントを得てから行っている.超音波異常所見が認められた場合はできるだけ家族にも説明を行うようにしている.胎児染色体異常は90例中15例(21トリソミー5例,18トリソミー8例,45,X 1例,21番リング染色体1例)に認められた.超音波異常所見例では21例中12例に,クアトロ検査陽性では21例中2例に,高齢で受けた32例のうち1例に染色体異常が認められた.染色体異常が認められた場合はカウンセリングを行った.妊娠21週までに染色体異常が分かった11例では7例が中絶,3例が子宮内胎児死亡となった.リング染色体の1例はカウンセリングの結果妊娠継続を希望したが,妊娠21週に破水し流産となった.妊娠22週以降に分かった4例は数回のカウンセリングの結果出産までに児の受け入れができるようになった. 胎児染色体異常は超音波異常所見を認めた症例に多く認められたが,母体は必ずしも高齢ではなかった.羊水穿刺の際,インフォームドコンセントを得るとともに,染色体異常が認められた場合には十分なカウンセリングを行うことが重要であると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2)
124-124, 2008
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