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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥IV
単胎経腟分娩時に輸血を要した症例に関する検討


菊池 芙美, 三宅 秀彦, 高屋 茜, 印出 佑介, 中川 道子, 三浦 直美, 五十嵐 美和, 鈴木 俊治
葛飾赤十字産院産科


 日産婦周産期委員会の全国調査では,妊産婦死亡を含めた妊婦重症管理例は250分娩に1例発生し,その約半数が産科出血と関係していた.これまで,分娩時の輸血症例に関する報告は散見されているが,比較的ローリスクと考えられる単胎経腟分娩に関する検討は少ないのが実状である.今回,当院において2002〜2007年に単胎経腟分娩周辺期の大量出血で輸血を要した症例について検討したので報告する.単胎経腟分娩総数は8,874例で,うち26例(0.29%)に輸血が施行された.輸血を要した大量出血の原因診断は,子宮弛緩症15例(58%),産道裂傷・血腫5例(19%),胎盤遺残4例(15%),その他2例(8%)であった.輸血施行に関するリスク因子として,IVF-ET後(オッズ比:13.45),妊娠41週以降(同2.40),児体重4,000g以上(同7.93),鉗子分娩(同5.96),分娩所要時間24時間以上(同5.86),低置胎盤(同81.84),常位胎盤早期剥離(同36.37)が有意であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 124-124, 2008


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