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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩・産褥IV 当院の周産期母子医療センターにおける重症管理妊婦について―周産期母子医療センターの役割―
西村 修, 松岡 美杉, 岸見 有紗, 森定 徹, 宮越 敬, 矢久保 和美, 福井谷 達郎
さいたま市立病院周産期母子医療センター産婦人科
当院は平成13年10月より地域周産期母子医療センターを併設し,さいたま市を中心とした地域周産期医療の一端を担っている.今回,センター開設から平成19年度までの6年間において,重症管理妊婦の管理における周産期センターの役割について検討を行った.紹介ハイリスク妊婦の変化について,外来紹介と母体搬送で比較検討した.開設当初は,外来紹介と母体搬送ではほぼ同数であったが,近年,母体搬送による紹介妊婦はNICU満床などのために低下傾向にある.それに比べ外来紹介のハイリスク症例は年々増加しており,特に妊娠早期に紹介受診となる傾向にある.紹介理由においても開設当初に比べ胎児異常や切迫早産などはあまり変化ないものの,前置胎盤,多胎,母体合併症妊娠の症例が急増している.また,周産期医療センター開設前後の過去7年間における当院での分娩症例を検討したところ,重症管理妊婦の年間総分娩数に占める割合は約4倍に増加しており,最近では前置胎盤・妊娠高血圧症候群・合併症妊娠の症例がとくに増加傾向にあった.近年,リスク回避の風潮の高まりにより,早期に母体管理を目的としたハイリスク妊婦の外来紹介が増加し,外来から分娩に至るまでの総合的周産期管理が求められている.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2)
125-125, 2008
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