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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))
【一般演題】
子宮筋腫 GnRH投与により筋層内筋腫が筋腫分娩に至った一例
難波 直子, 間瀬 徳光, 岩見 菜々子, 竹内 沢子, 疋田 裕美, 上田 万莉, 石田 友彦, 藤 孝一郎, 山本 幸彦, 丸茂 元三, 森田 豊, 大橋 浩文
板橋中央総合病院産婦人科
今回我々は子宮体部前壁の筋層内深くに存在した筋腫がGnRH投与により筋腫分娩となった症例を経験し,その前後像をMRIで描出しえたので報告する.症例は36歳,1経妊1経産.過多月経を主訴に他院を受診,MRIにて子宮体部前壁の筋層内深くに6×4cm大の筋層内筋腫を認めた.GnRH療法を約6ヶ月間にわたり施行された.子宮筋腫の治療法に関するセカンドオピニオンを得るために当院紹介され受診.当院初診時クスコ診で外子宮口より腟内へ脱出した手拳大の筋腫を認めた.MRIでは子宮前壁筋層内から頚管内に下垂する筋腫がみられ,筋腫分娩と考えられた.Hb8.7g/dlと貧血があったため,まずは鉄剤内服で貧血の改善をはかり,その後で腟式子宮筋腫核出術の方針とした.止血困難な場合には子宮鏡下に止血を行うことや,子宮全摘の可能性も念頭に置き,十分なインフォームドコンセントを得たのち,腟式子宮筋腫核出術を施行した.手拳大の筋腫核を筋腫分娩として認めた.筋腫は子宮前壁外子宮口から2cm上方の子宮内壁粘膜下から3cmの径を有して突出して存在し,筋腫核のほぼ90%が外子宮口から腟内に脱出していた.筋腫を細断しつつ摘出した.術後経過良好にて術後2日目に退院となった.筋層内深くに存在した筋腫がGnRH投与により筋腫分娩となった例は稀であり,そのMRI所見を中心に報告したい.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2)
126-126, 2008
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