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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))
【一般演題】
妊娠1 胎盤 常位胎盤早期剥離の新生児予後からみた胎盤剥離面積と胎児心拍モニター所見
東 裕福, 松浦 眞彦, 佐々木 重胤, 小川 浩平, 加藤 隆, 中村 晃和, 青木 洋一, 古屋 潮, 永石 匡司, 宮川 康司, 山本 樹生
日本大学医学部産婦人科
[目的]常位胎盤早期剥離(以下早剥)は今日においても早期診断が困難である.今回当院における早剥症例の新生児予後と胎盤剥離面積およびFHRモニター所見との関係を検討した. [方法]平成11年(1999年)から平成20年(2008年)の10年間における当院での早剥を起こした47例の帝王切開直前のFHRモニター所見と胎盤剥離面積との関係を新生児経過良好児と短期新生児予後不良児および死産児について,比較検討した. [結果]当院での10年間の全分娩数に対する早剥の頻度は0.73%(47件/6,430件)で新生児予後の良性群30例,不良群5例,死産群12例であった.良性群のApgarスコア(Ap)の平均は5.8/7.2点,FHRモニター正常例63%(19/30),異常例37%(11/30),胎盤剥離面積は平均35%であった.不良群のそれらはAp0.2/0.2点,100%,56%で,死産群の胎盤剥離面積は56.7%であった.FHRモニター異常を呈した良性群のFHRモニターの異常となるまでの時間が不良群に比べて短く胎盤剥離面積も狭かった. [考察] 早剥症例の新生児予後はFHRモニターと胎盤剥離面積とが関連し,それらの異常所見のみならず異常となるまでの時間をも加味して判断することが重要であると思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2)
142-142, 2009
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