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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))

【一般演題】
妊娠1 胎盤
放射性ヨード治療後のBasedow病合併妊娠で無機ヨード治療中に常位胎盤早期剥離となった一例


村岡 光恵, 高木 耕一郎
東京女子医科大学東医療センター産婦人科


 【はじめに】Basedow病の放射性ヨード(131I)治療は抗甲状腺剤が使用出来ない例に適応されるが,131I治療後の妊娠例は少なく,管理が困難となりやすいことが知られている.今回131I治療後1年で妊娠し,甲状腺機能の管理に苦慮し,常位胎盤早期剥離となった症例を経験した.【症例】38歳,G0P0.21歳時バセドウ病と診断され,チアマゾール治療を受けるも無顆粒球症となる.36歳時,放射線科にて131I治療を受け,治療後4か月より軽度機能亢進に対し同科にてヨウ素レシチン投与中に妊娠し,妊娠11週に当科初診.TSH 0.01μIU/mL,fT3 6.15pg/dl,fT41.81ng/dl,TSAb 1172%,TRHレセプター抗体25.1%であった.ヨウ素レシチン投与下に児発育等に問題なく経過.妊娠30週,TSH<0.005μIU/mL,fT33.59pg/dl,fT41.42ng/dlと甲状腺機能は軽度亢進しており,ヨウ化カリウムに変更となる.34週6日,放射線科受診後,多量の子宮出血にて救急車にて来院.常位胎盤早期剥離の診断で緊急帝王切開施行し,1860g男児をApgar score 2(1分),臍帯血pH(UA)7.10にて娩出.当日,分娩前のTSH 0.017μIU/mL,fT31.6pg/dl,fT4 0.56ng/dlと機能低下になっていたが,新生児の甲状腺機能は正常で,新生児予後も良好であった.【考察】Basedow病合併妊娠は多くの場合,抗甲状腺剤で大きな問題なく管理出来るが,手術療法や放射性ヨード治療後の管理は難しい場合がある.妊娠中の甲状腺機能の急激な変動は常位胎盤早期剥離との関連が示唆されており,本症の妊娠中の管理にあたっては,産科医と内科医との密なる連携が重要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 143-143, 2009


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