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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))
【一般演題】
分娩1 胎盤 帝王切開既往のない癒着胎盤の2例
定方 久延, 小松 浩司郎, 矢崎 聡, 笠原 慶充, 増田 由起子, 勝俣 祐介, 篠崎 博光, 峯岸 敬
群馬大学産婦人科
癒着胎盤は帝王切開後の瘢痕に発生することが多いが,まれではあるが頻回の子宮内操作もそのリスクを上げることが知られる.今回われわれは,帝王切開既往のない癒着胎盤の症例を経験したので報告する.(症例1)1経妊1経産.前医にて妊娠23週6日に破水し,妊娠24週4日経腟分娩.胎盤の大部分を排出したものの分娩後出血持続するため当院へ搬送入院.MRIにて癒着胎盤疑われるため子宮動脈塞栓術(UAE)を施行した後,子宮内容除去術施行.子宮は温存できた.摘出された胎盤組織の病理所見は脱落膜を介さずに子宮筋層と直接接する絨毛組織がみられ,placenta accretaと診断.(症例2)2経妊1経産(自然流産1回).前医にて全置胎盤の診断を受け当院へ紹介.妊娠24週6日,子宮出血を認め,緊急帝王切開施行.胎盤の一部を残したまま子宮を縫合したが止血困難のため単純子宮全摘となった.病理所見は絨毛が子宮筋層と接する所見あり,placenta accretaと診断.(まとめ)帝王切開既往もなく,子宮内操作歴も少ない癒着胎盤の症例を経験した.癒着胎盤発症のメカニズムは未解明な部分が多く,リスクが少ないと予測される症例でも胎盤剥離困難な場合には慎重な取り扱いが求められると思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2)
146-146, 2009
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