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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍2
非妊娠性と思われた卵巣絨毛癌の1例


山本 かおり1), 横西 哲1), 三宅 雅子1), 山崎 悠紀1), 小原 美幸1), 黒澤 和子1), 上田 典胤1), 野口 浩1), 藤原 正之2), 三上 芳喜3), 小西 郁生4)
伊那中央病院産婦人科1), 伊那中央病院病理2), 京都大学病理3), 京都大学産婦人科4)


卵巣原発の胚細胞腫瘍としての絨毛癌(非妊娠性絨毛癌)は極めて稀な疾患である.今回我々は,非妊娠性と思われる卵巣絨毛癌を経験したので報告する.症例は36歳,0回経妊0回経産.月経周期は25日型で順.およそ10年前に結婚するも10ヶ月程で離婚し,以降結婚歴はなし.10月より認める不正性器出血,月経不順を主訴に12月,前医を受診.妊娠反応陽性,骨盤内に大きさ9cm大の充実性部分を伴った嚢胞性腫瘤を認め,卵巣悪性腫瘍(非妊娠性絨毛癌)の疑いにて当院紹介となった.血中hCGは1900と上昇,AFPは陰性,LDHは正常値であった.術前検査で他臓器への転移は認めなかった.dysgerminomaの術前診断で翌年1月20日,開腹術を行った.茶褐色の腹水を認めた.腫瘤は左卵巣由来で,新生児頭大に腫大し,一部が破綻,腫瘤内容液が流出していた.腫瘤内には不整な充実部分を認め,出血を伴っていた.術中腹水細胞診陰性,播種は認めなかった.腫瘤はほぼ完全に摘出した.病理組織学的には,固有の間質を有さずに増殖する異型細胞から構成され,出血が顕著である点,細胞性栄養膜細胞を模倣する腫瘍細胞と合胞性栄養膜細胞を模倣する腫瘍細胞から構成されている点などより絨毛癌と診断した.dysgerminomaを示唆する所見は認められなかった.術後,BEP療法(ブレオマイシン,シスプラチン,エトポシド)を3クール施行した.2クール後に血中hCGは陰性化し,現在,再発徴候はない.病理組織学的診断ではdysgerminomaの所見を認めず,非妊娠性絨毛癌であるとは診断できなかった.そのため,非妊娠性であるかの鑑別のためにマイクロサテライトDNAの解析を加え,検討することとした.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 317-317, 2009


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