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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍2
卵巣及び虫垂の双方に腫瘍を認めた腹膜偽粘液腫の1例


松本 玲央奈, 手塚 真紀, 樋口 紗恵子, 後藤 美希, 曽根 献文, 野村 香央里, 坂巻 健, 小林 浩一
社会保険中央総合病院産婦人科


腹膜偽粘液腫は卵巣または虫垂に発生した粘液産生性腫瘍が破綻し,腹腔内に播種,増殖した病態を示す疾患で,その発生率は100万人に1人といわれる.今回我々は大量腹水による腹満感のため初診した腹膜偽粘液腫の1例を経験したため報告する.症例は76歳,2経妊2経産,2009年1月頃より腹部膨満感あり,4月より急速に悪化.近医受診し,腹部超音波,CTにて著明な腹水認め,当院内科初診.精査のため入院となった.入院時身体所見で腹部は胸骨直下まで膨満(腹囲84cm).腹部超音波にて多量の腹水を認め,骨盤MRIで右卵巣癌の腹腔内播種が疑われ,婦人科転科となった.腹水穿刺施行,黄色粘液が吸引され,細胞診はClass3であった.以上の所見より,腹膜偽粘液腫が疑われ,消化管由来も考え,外科と合同で,2009年5月22日開腹術施行した.腹腔内所見:腹腔内にジェル状の粘液5000ml貯留,右卵巣腫瘍は15cmに腫大しており,虫垂にも10cmの腫瘍を認めたほか,大網にも最大15cmの腫瘍を多数認めた.また,肝臓表面,横隔膜,腹膜全体に粘液性腫瘍の播種が存在していた.単純子宮全摘術+両側付属器切除術+虫垂切除術+大網切除術施行.腹腔内を生食15000mlにて洗浄した.(手術時間4時間17分,出血100ml.)術後せん妄あったものの,数日で回復し,術後経過は順調であった.術中迅速診断では卵巣原発の可能性が高いとされたが,術後病理診断は腹膜偽粘液腫(原発として卵巣,虫垂のどちらも決め難い)であった.現在術後5カ月,創部,膣断端の治癒は良好だが,経膣超音波で粘性の腹水少量貯留を認め,TS−1を内服し経過観察中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 318-318, 2009


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