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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍2
当院における卵巣境界悪性腫瘍症例15年間の検討


川野 藍子, 井畑 穰, 丸山 康世, 鈴木 理絵, 助川 明子, 杉浦 賢, 宮城 悦子, 平原 史樹
横浜市立大学附属病院産婦人科


当院で1994年から2008年の15年間に初回登録された卵巣上皮性悪性腫瘍は314例であり,このうち最終病理診断で境界悪性腫瘍とされた症例は43例であった.平均年齢は47.74±14.5歳で,進行期は多くの症例がI期で,II期は2例,III期は1例であった.初回治療は全例手術を施行しており,術後化学療法を併用した症例は10例であった.初回手術で基本術式(単純子宮全摘出術,両側付属器摘出術,大網切除術)を施行したのは18例で,このうち骨盤内・傍大動脈リンパ節郭清も施行したのは6例であった.縮小手術症例のうち,大網切除を施行しなかった例が5例,両側付属器摘出術症例が3例であった.患側付属器摘出術症例は13例で,このうち迅速診断良性であった症例は7例,迅速診断で境界悪性が指摘されたものの妊孕性温存等を目的として,インフォームドコンセントを得て卵巣温存をした症例が6例であった.腫瘍摘出術症例は4例で,2例は迅速診断良性の症例で,2例は迅速診断を施行していなかった.4例中2例は追加手術を施行している.初回手術後再発した症例は3例で,腫瘍摘出術症例2例の局所再発,患側付属器摘出術症例1例の遠隔再発であった.腫瘍による死亡は認められなかった.上皮性境界悪性腫瘍の取り扱いは,現在のガイドラインによれば基本的には卵巣癌に準じた手術が推奨されている一方,I期の場合は縮小手術も可能である旨の記載もあり混乱しがちである.当院の結果では再発例の殆どが腫瘍摘出術であるが,このうち患側付属器摘出術を追加後に再発した症例もある.境界悪性腫瘍の予後は良好であるが,縮小手術後は,卵巣癌同様の厳重なフォローアップが必要であることが示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 319-319, 2009


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