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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))
【一般演題】
鑑別診断 診断に苦慮したaggressive angiomyxomaの一例
寺門 千華1), 井坂 惠一1), 寺内 文敏1), 西 洋孝1), 平岩 芙美子1), 和田 裕美子1), 永井 敦2), 野平 知良3)
東京医科大学産婦人科1), 永井クリニック産婦人科2), 八王子医療センター産婦人科3)
侵襲性血管粘液腫(aggressive angiomyxoma)は非常に稀な非上皮性腫瘍である.そのため,診断・治療に苦労する例が多い.罹患者は女性に多く,発生部位は外陰・会陰に多いとされる.また,治療は外科的切除であるが,局所再発率が高い.今回我々は,診断に苦慮したaggressive angiomyxomaに一例を経験したので報告する.症例は49歳女性.検診にて卵巣の腫大を指摘され,MRIにて右卵巣腫瘍・粘膜下筋腫を疑われたため,当院紹介受診となった.MRI・CTにて,子宮筋腫・卵巣腫大・卵管腫大等が疑われたが,はっきりとした診断には至らなかった.手術施行したところ,子宮の右側壁に付着した形で軟性の腫瘤を認めた.迅速診断にてaggressive angiomyxomaであったため,追加で単純子宮全摘を施行した.術後経過は良好で退院となる.aggressive angiomyxomaは外陰部に多いとされるが,今回のように骨盤内に発生する場合もある.また,再発率が高く,治療の基本は完全切除術であるため,診断と腫瘍の広がりを確認することが重要となる.そのため,診断がついていなければ,術中の迅速診断・そして術前の画像の確認が必要となる.外陰部でなくともangiomyxomaの可能性があることを念頭におくことが大切であるといえる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3)
321-321, 2009
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