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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
子宮頚癌 子宮頸癌の術前MRI検査の工夫とその評価
林 茂徳, 藤井 多久磨, 平尾 薫丸, 福地 剛, 久布白 兼行, 塚崎 克己, 青木 大輔, 吉村 泰典
慶應義塾大学医学部産婦人科
【目的】子宮頸癌根治術前に膣内にゼリーを注入し撮像したMagnetic Resonance Image(以下MRI)についてMRI所見,理学所見,手術摘出標本の肉眼的所見,組織学的所見との比較検討を行った.【方法】2004年12月から2005年6月までに,当院で子宮頸癌の根治術を施行した10例(Ib1期7例IIb2期3例IIb期2例)を対象とした.術前にMRIを撮像する際に膣内に超音波検査用のゼリーを注入し撮影した.MRIは,子宮頸部の軸に対してAxial,Coronal,Sagittalの3方向で,T2強調像,造影後のT1強調像を撮像した.【成績】全症例において術前MRIによる腫瘍の局所進展の評価と術後病理学的診断は一致していた.外向発育型では,ゼリー注入による膣円蓋部の鮮明な描出により膣壁浸潤の有無,微小浸潤型においてはT1強調の造影像にて局所浸潤の程度の描出が組織学的診断を正確に反映していた.また子宮頸部の縦軸に対して垂直に撮影することにより,子宮傍結合識浸潤の有無および程度の評価がより正確に可能となった.【結論】今回の子宮を中心に撮像し膣内にゼリーを注入する撮影法では,以前の骨盤を中心とする撮像法と比較して1.膣浸潤の有無の正確な評価2.子宮頸部の浸潤の深さ3.子宮傍結合識浸潤の程度の評価がより正確となった.今回試行した撮像法は,今後さらなる症例の検討が必要であるが以前の撮像法と比べ根治術前において子宮頸部病変のより正確な評価が可能である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
323-323, 2005
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