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<< 学会誌へ戻る 子宮癌肉腫は上皮性成分と間葉系成分がともに悪性である極めて予後不良の腫瘍であり，子宮頚部より発生する癌肉腫は非常に希である．症例は64歳，1経妊1経産．少量の不正性器出血を主訴に前医を受診，子宮内膜掻把術による病理組織検査にて子宮体癌を疑われたため，精査加療目的にて紹介受診となった．内診にて外子宮口より外方へ突出する易出血性の腫瘍性病変を認めた．子宮は超鵞卵大に腫大し両側付属器は触知しなかった．骨盤MRIにて子宮体部から膣部にかけて約85 mm大の浸潤性腫瘍性病変を認めた．子宮膣部細胞診はClass I子宮頚管および子宮内膜細胞診はClass Vであった．子宮頚部に浸潤を伴う子宮体癌と診断し，広汎子宮全摘術，両側付属器摘出術，骨盤から傍大動脈リンパ節郭清を施行した．肉眼所見では子宮頚部は黄白色腫瘍により占拠されダルマ状に腫大，腫瘍の一部は頚管より突出していた．病理組織検査により子宮頚部原発癌肉腫と診断し，骨盤リンパ節および傍大動脈リンパ節に転移を認めた（pT1b N1 MA）．子宮体部の癌肉腫では癌腫成分は多くの場合腺癌であると報告されているが，本症例では癌腫成分に扁平上皮癌成分を認め，頚部原発を示唆する一つの所見と考えられた．近年子宮癌肉腫の化学療法としてifosfamideとcisplatinの併用療法が，それぞれの単剤化学療法に比し高い奏効率を示したという報告があり，現在周期的化学療法を行っている．しかし，体部癌肉腫同様に手術以外の標準的治療法が確立されているとは言えず，症例数が少なくその生物学的特性は不明な点があるものの，早期発見法および有効な治療法の確立が望まれる． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 323-323, 2005 |
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