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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
卵巣癌(2)
当科で最近経験したserous surface papillary carcinomaの2例


榊原 嘉彦1), 伊藤 高太郎1), 渡邉 豊治1), 山本 豊作1), 野口 浩2)
豊科赤十字病院産婦人科1), (旧)国立松本病院産婦人科2)


 Serous surface papillary carcinoma(以下SSPCと略)は,卵巣や腹膜に表在性の漿液性乳頭状腺癌が発生する比較的稀な腫瘍であり,卵巣外の,ダグラス窩腹膜などに広汎にひろがるものはextraovarian SSPC,卵巣表層に発生するものはovarian SSPCなどと呼ばれる.最近われわれは,腹水貯留が明らかでない比較的早期のextraovarian SSPCおよびovarian SSPCの各一例を経験したので,報告する.【症例1】60才,平成14年4月,健診にて腹水貯留疑いとのことで外来を受診したが,腹水貯留はみられず,外来にてfollow upしていた.平成16年6月子宮内膜細胞診にて,子宮外由来の腺癌が出現.開腹時,肉眼的に卵巣は全く正常で,ダグラス窩に一見炎症性変化様の領域が拡がっていた.病理診断にて,卵巣の表層の一部と,ダグラス窩腹膜に広汎性に乳頭状腺癌がみとめられ,extraovarian SSPCと診断された.【症例2】67才,平成17年2月,子宮脱のため膣式子宮全摘出術を施行したところ,膣断端の開口より乳頭状腫瘤が膣内に脱出.右卵巣表層に発生した有茎性乳頭状腺癌であった.後日開腹手術を施行したところ,肉眼的には腹腔内に異常は見られなかったが,左卵巣表層と大網に乳頭状腺癌の小病巣が見られた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 328-328, 2005


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