関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
その他(1)
PID(骨盤内炎症性疾患)に対する腹腔鏡下手術の適応に関する検討


江良 澄子1), 高井 泰1), 小野 義久1), 松永 茂剛2), 伊東 宗毅1), 斉藤 正博1), 林 直樹1), 馬場 一憲1), 関 博之1), 竹田 省1)
埼玉医科大学総合医療センター産婦人科1), 蕨市立病院産婦人科2)


 【目的】PIDは多様な臨床像を呈し,虫垂炎,憩室炎など鑑別すべき疾患もあり,診断と治療方針の選択に苦慮する例も多い.そこで当科で経験したPID症例を検討し,腹腔鏡下手術の有用性とその適応につき考察した.【方法】2000年1月1日から2005年5月31日の5年間に当科で腹腔鏡下手術(Laparo群),開腹手術(Lapa群)を施行した45例を対象として,手術内容,治療効果,合併症などを比較・検討した.【成績】Laparo群19例(30.9±6.5歳;mean±SD)は,Lapa群26例(39.2±12.3歳)に比べて有意に若齢だった(P=0.010).Laparo群中1例,Lapa群中2例は術中に虫垂炎と診断し,開腹術を施行した.手術時間に有意差は無かったが(101±38 vs 118±35分),術中出血量(103±198 vs 275±238 ml),術後入院日数(7.0±2.3 vs 11.1±5.3日)はLaparo群で有意に低値だった(それぞれP=0.028,0.007).Laparo群中2例(10.5%)でドレナージ術後も症状が軽快せず,開腹で感染嚢胞摘出術を施行した.Laparo群中1例で高度な腹腔内癒着のため開腹術に移行し,腸管損傷をきたした.抗生剤開始当日に腹腔鏡下ドレナージ術を施行した症例で術後にSpO2の低下を伴うSIRSを発症した.【結論】PIDの急性期には抗生剤の投与を行い,24―48時間で改善を認めない場合や画像診断で明らかな膿瘍を認める場合は,外科的ドレナージ,感染巣摘出術が望ましい.低侵襲手術としての腹腔鏡下手術は,適切な症例と術式を選べば開腹手術と比べ治療効果に明らかな差はなく,虫垂炎などの鑑別診断も可能である.しかしながら不十分なドレナージに終われば再手術を要する場合もあり,適応や術式について更なる検討が必要と思われる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 330-330, 2005


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会