|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
その他(2) 妊娠線発生の予測は可能か?
竹内 康高, 水主川 純, 河村 隆一, 杉村 基, 金山 尚裕
浜松医科大学産婦人科
【目的】妊娠線は生涯残り,美容的に問題であるが,その発生の予測はできていない.様々な指標を交えて,ハイリスクの抽出を試みた.また,可視分光組織酸素計測装置を用いて,皮膚表面の酸素飽和度の変化も検討した.組織学的な検討も行った.【方法】24名の妊婦において,妊娠26〜33週および分娩前の最後の妊婦健診(36〜40週)の体重,子宮底長,腹囲を比較した.表面酸素飽和度の測定は,インフォームドコンセントを得た妊婦において妊娠26〜33週と産褥1〜6日に実施し,腹部の皮膚に測定用プローブを近接させ,1箇所につき約10秒,腹部4箇所の値を平均した.【成績】 1)子宮底長25 cm以下,体重50 kg以下,BMI 21以下では妊娠線の発生を認めず,低リスクの指標となり得た 2)妊娠26〜33週に腹囲85 cm以上であると,妊娠線の発生頻度が高くなることが判明した.また,妊娠後期の増加率は無関係だった.3)妊娠線予防クリームを使用していた人はそうでない人に比べ,分娩時の表面酸素飽和度の上昇が大きかった(P=.0134)【結論】妊娠線のリスクの指標として最も有用であるのは腹囲であり,妊娠26〜33週に85 cm以上が高リスクである.妊娠線予防クリームの使用により皮膚が満遍なく伸展し,表面酸素飽和度が上昇すると考えられ,予防効果の評価に表面酸素飽和度の測定が応用できる可能性があると思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
332-332, 2005
|