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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
その他(2) 胎盤ポリープに対し子宮鏡下手術が有効であった症例
松原 直樹1), 小野 恭子1), 深見 武彦2), 松島 隆2), 波多野 久昭3), 山崎 輝行1), 可世木 久幸2), 朝倉 啓文2), 小西 郁生4)
飯田市立病院産婦人科1), 日本医科大学付属第2病院女性診療科・産科2), ノア・ウイメンズクリニック産婦人科3), 信州大学医学部産婦人科4)
胎盤ポリープに対し子宮鏡下手術(HFS)を施行した症例を経験した.対象は最近18ヶ月以内に胎盤ポリープと診断された5症例であり,手術施行3ヶ月以内に出産または子宮内容清掃術を経験していた.術前に経腟超音波またはMRIを用いてポリープの容積と血流の有無を検討した.ポリープの平均予想容積は13.2 cm3であった.造影MRIによりポリープ内血流が豊富であると考えられた1症例に対しては腹腔鏡・腹腔内超音波,および子宮鏡併用レーザー蒸散補助下胎盤ポリープ除去術(レーザーポリペク)を行った.レーザーポリペク症例の総手術時間は178分,レーザー蒸散時間は70分間であった.手術出血量は154 g,ポリープ重量は10 gであった.ポリープ内血流が乏しいと考えられた4症例に対しては子宮鏡補助下胎盤ポリープ除去術(HFSポリペク)を施行した.HFSポリペク施行4症例の平均手術時間は23分,平均手術出血量は33 gであった.子宮腔拡張液には乳酸リンゲル液を使用した.子宮鏡胎盤ポリペクは一般的にレゼクトスコープ(TCRポリペク)を用いることが多い.しかし,TCRポリペクは出血量が多く子宮摘出術を余儀なくされた症例も報告されている.さらに非電解質液による水中毒発生予防のため十分に子宮腔拡張が困難なことがある.これに対して子宮鏡下でのポリペクは乳酸リンゲル液を用いるため視野が広く,子宮腔拡張を十分に行える.さらにレーザーを併用する際も操作性がよく筋層内熱傷も少ない.従って,胎盤ポリープ除去術にHFSは有効であると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
333-333, 2005
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