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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
妊娠・分娩(4) 妊娠中に血小板低下を契機に診断した急性骨髄性白血病の1例
依藤 崇志1), 村山 敬彦1), 松村 英祥1), 岩田 睦1), 臼井 真由美1), 斉藤 正博1), 関 博之1), 馬場 一憲1), 竹田 省1), 得平 道英2)
埼玉医科大学総合医療センター産婦人科1), 埼玉医科大学医療センター血液内科2)
(緒言)血小板減少症の多くが妊娠後期に紹介となり,ステロイドやγ-グロブリン大量療法が分娩などで時間的余裕のないことがある.当センターでは積極的に骨髄生検を勧めており,血小板減少症より急性骨髄性白血病を診断した症例を経験したので,文献的考察を含めて報告する.(症例)32歳 2経妊0経産 平成16年10月5日を最終月経として自然妊娠.平成17年1月11日(14週0日)血小板15万,白血球4400,Hb12.1,同年5月16日(31週6日)血小板9.6万,白血球3400,Hb10.4と血小板の減少傾向を認めた.抗血小板抗体は陰性,5月24日(33週0日)血小板8.6万PAIgG34.4と若干の高値.紫斑等臨床症状は認めなかった.特発性血小板減少症の疑いにて5月27日(33週0日)当院紹介受診.6月10日(35週3日)血小板6.5万,6月14日4.9万と急激な減少を認めたため,6月15日骨髄生検施行.急性骨髄性白血病の診断となった.白血病の早期の加療を目的に,早期の娩出の方針とし6月18日(36週4日)帝王切開施行.術前に20単位血小板輸血施行.術直前には血小板7.6万まで回復するが,術後1日目には血小板3.6万まで低下.術後血小板輸血10単位追加し,術後2日目当院血液内科へ転科.術後5日目には6.2万まで上昇した.今後全身化学療法を予定している.(結論)アメリカ血液学会では,血小板減少症に対して必ずしも骨髄生検を必要としないとされているが,骨髄生検をすることで免疫療法が有効かどうかの判断が可能である.また本症例のように白血病の診断につながることもあり,骨髄生検は周産期管理の上で有用であると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
338-338, 2005
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