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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
妊娠・分娩(5)
当院における分娩に至った先天性胆道閉鎖症の9例


渡辺 紀子1), 種元 智洋1), 川上 香織1), 坂田 麻理子1), 新家 秀1), 久保 隆彦1), 北川 道弘1), 名取 道也1), 村島 温子2)
国立成育医療センター産科1), 国立成育医療センター母性内科2)


 先天性胆道閉鎖症(Congenital biliary atresia以後CBA)は,出生数1万に対し1例,胆道系の奇形の中で最も多い.ほぼ全例に,まず葛西の手術(肝門部空腸吻合術)が行われる.本邦の成績は世界に比して良く,黄疸消失率は80%近い.しかし長期予後は,黄疸消失し3年以上経過例は26.5%,10生率は15.9%,その半数に肝硬変や門脈圧亢進症を有し,治療法の選択肢として肝移植などもある.CBAの長期予後に関わる因子として,一般的には,肝硬変,肝不全,上行性胆管炎,食道静脈瘤からの出血,肝細胞癌などがあるが,周産期管理において問題となるのは,否脾摘例における脾機能亢進による血小板低値,食道静脈瘤からの出血,上行性胆管炎である.特に,食道静脈瘤からの出血は緊急処置を必要とし,母体の生死に関わるため,妊娠期毎の内視鏡検査が望ましく,適応によってEIS(Endoscopic injection sclerotherapy)・EVL(Endoscopic variceal ligation)などの治療も行なわれる.また,妊娠前の肝機能,静脈瘤の程度により,妊娠を許可することも必要である.これまで当院でフォローしたCBA症例が妊娠適齢期に至ってきており,そのうち妊娠及び分娩に至った9例の転帰を今回報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 339-339, 2005


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