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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
妊娠・分娩(7) 帝王切開後に発生したOgilvie症候群(急性結腸偽閉塞症)の2症例
鶴田 智彦, 西村 修, 辻 紘子, 舛本 暢生, 菊地 正晃
独立行政法人国立病院機構栃木病院産婦人科
Ogilvie症候群は,腸管には明らかな器質的狭窄がないにもかかわらず,臨床的に結腸閉塞症状を呈する症候群である.本症候群は,種々の関連疾患に続発することが多いとされ,特に,腹腔骨盤手術などの産婦人科領域手術後に多く併発するとされている.欧米では帝王切開後に発症した症例は多数報告されているが,本邦では,ほとんど報告がなされていない.今回我々は,帝王切開後に発症したOgilvie症候群の2症例を経験したので報告する.【症例1】妊娠34週4日,他院より前期破水にて当院へ母体搬送になる.妊娠35週6日,Non-reassuring patternを示したため帝王切開を施行した.術後3日目にて急激に腹部膨満感が出現し,腹部単純X線上,横行結腸に著明なガス像を認めたが,明らかな二ボー像はなかった.腸雑音も聴取され,排ガスも認めていたが,腹部膨満感が増悪したため,イレウス管を挿入した.術後8日目,十分な減圧効果がみられ,イレウス管を抜去し,術後13日目に退院となった.【症例2】妊娠33週4日,他院より前期破水にて当院へ母体搬送になる.モニター上Non-reassuring patternを示したため帝王切開を施行した.術後1日目より,腸雑音を認めたため,流動食を開始した.術後5日目,排ガスを認めていたが,水様性下痢を認め,腹部膨満感が出現したため,腹部単純X線を施行したところ,横行結腸に著明なガス像を認めた.術後8日目,腹部膨満感が増悪したためイレウス管を挿入した.術後14日目,十分な減圧効果がみられ,イレウス管を抜去し,術後17日目に退院となった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
345-345, 2005
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