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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
妊娠・分娩(8)
病理検査にて羊水塞栓と診断された一例


中村 裕美, 金子 透子, 清水 久美子, 伊澤 美彦, 田巻 勇次
国保松戸市立病院産婦人科


 【目的】今回我々は,分娩後大量出血を認め,死後の剖検で肺組織に胎児扁平上皮細胞を認めた,羊水塞栓の一例を経験したので報告する.【症例】症例は37歳,4経産.他院にて周産期管理をされていた.2004/7/26(妊娠40週2日)の5時に陣発し入院となったが,回旋異常のため10時16分に吸引分娩となった.その直後より,大量性器出血を認め(2542 ml+α),意識レベルは低下し,12時07分,当院へ緊急搬送となった.搬送時,意識レベルGCS1-1-1,血圧測定不能,自発呼吸認めなかったため,挿管し,急速補液,緊急輸血をおこなった.しかし,性器出血持続したため,緊急手術(子宮全摘術,両側内腸骨動脈結紮術)を施行したが,術後もバイタル不安定であり,7/27には脳死状態となり,7/28永眠された.母胎血清のSTNは21 U/mlと正常値であったが,死後の剖検で,肺組織に胎児扁平上皮細胞を認めたため,羊水塞栓と診断された.【結語】羊水塞栓は病理検査でその像をとらえうることは稀であるが,確定診断として非常に重要である事が再確認された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 349-349, 2005


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