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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
妊娠・分娩(9) 当院での妊産婦における風疹・麻疹・水痘抗体価の検討
菅原 かな1), 渡辺 典芳1), 種元 智洋1), 村島 温子2), 塚原 優己1), 久保 隆彦1), 北川 道弘1)
国立成育医療センター産科1), 国立成育医療センター母性内科2)
妊娠中に風疹・麻疹・水痘などのウイルス性疾患に感染した場合,母体の合併症だけでなく,胎児においても種々の頻度で合併症を起こす可能性がある.このため,妊娠前の予防接種歴・罹患歴の把握が重要であるが,記憶が不正確であることも往々にしてある.このため,妊娠初期に上記感染症の抗体価について把握しておくことは周産期管理に有用であると考えられる.我々はこれらの感染症について妊婦の抗体保有率を調査したので報告する.(対象・方法)2004年6月17日から2005年4月まで1554人に対して検査を行った.抗体の検査方法は,風疹はHI法,麻疹はNT法,水痘はIgG(EIA法)で行った.診療情報の利用に関しては書面で同意を取得した.(結果)妊娠中に風疹,麻疹,水痘の抗体検査を行った妊婦はそれぞれ1340人,1229人,1047人であった.このうち,風疹抗体価について,8倍未満は47人(3.5%),8倍は50人(3.7%),16倍以上は1243人(92.8%)であった.麻疹抗体価4倍未満は109人(8.9%),8未満は259人(21.0%),8倍以上は861人(70.1%),8倍未満で再度予防接種が望ましい妊婦は368人(29.60%)であった.VZV IgG 2倍未満は17人(1.6%),2〜4倍は36人(3.4%),4倍以上は985人(94%)であった.(結論)風疹・麻疹・水痘のいずれの疾患においても種々の頻度で抗体陰性者が存在し決して少ない頻度ではないと思われる.このため初期に抗体価のチェックを行うことは,感染防止及び産褥のワクチン接種の推奨に有用であると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
351-351, 2005
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