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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
妊娠・分娩(10) 妊娠17週前期破水にて生児を得た一例
小暮 佳代子, 篠崎 博光, 村上 成行, 今井 文晴, 峯岸 敬
群馬大学医学部産婦人科
最近の周産期医学の進歩により超低出生体重児のIntact survivalが期待できる時代になってきた.しかし妊娠22週以前の前期破水では流産となるケースが多く,妊娠22週以降まで妊娠が継続し出生したとしても児の予後は極めて不良であり,その管理についての結論は出ていない. 我々は,妊娠17週にて前期破水を生じ,妊娠27週で出生し児が生存した症例を経験したので報告する.症例は40歳女性,1経妊1経産(胎児ジストレスの為帝王切開).妊娠5週より近医受診.17週6日前期破水し,以降抗生剤・子宮収縮抑制剤内服にて経過を観察.妊娠23週前医に紹介,同日周産期管理目的にて当科紹介.23週2日当院初診時所見では,明らかな破水で羊水過少症(AP14mm)を認め,IUGR傾向・胸郭発育不全(胸囲は19〜20週相当)を認めた.母体はWBC16000/μl,CRP1.1 mg/dlと炎症反応を認めた.本人都合により23週6日より入院,ABPC3日間点滴投与.25週3日WBC21100/μl,CRP2.3 mg/dlと炎症反応の上昇,子宮収縮増強認めたが,発熱・子宮の圧痛等の所見を認めなかった為妊娠継続とし,塩酸リトドリン点滴開始,FMOX3日間施行.27週0日子宮収縮増強に伴い変動一過性徐脈頻発.長期破水・羊水過少に伴う肺低形成の為児予後不良と考えられたが,本人と分娩様式について検討し,緊急帝王切開術施行,女児518 g Apgar3-2-2を娩出.新生児は当院NICU入院,肺低形成を認めた.厳重な呼吸・循環管理行った結果日齢13日で抜管,日齢120で退院.現在特に合併症なく当院小児科で経過観察中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
352-352, 2005
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