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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
妊娠・分娩(10) 塩酸リトドリンの副作用と考えられた発熱の一例
斉藤 圭介, 佐藤 綾, 長瀬 寛美, 橋本 栄, 平吹 知雄, 山中 美智子
神奈川県立こども医療センター産科
塩酸リトドリンは子宮収縮抑制薬として産科臨床に於いて広く用いられている.今回我々は同薬投与によると考えられる発熱症例を経験したので報告する.症例は25才,0経妊0経産.自然妊娠.既往歴,アレルギー特になし.妊娠21週胎児徐脈(60 bpm)認め近医より当センターに紹介となり,胎児完全房室ブロックと診断した.母体抗SS-A抗体陽性.胎児心拍が47 bpmまで減少したため,胎児心拍数増加目的に妊娠24週6日ウテメリン点滴投与開始し,胎児心拍数は50 bpm台前半に上昇した.しかし,妊娠26週6日より連夜発熱し(最高38.9℃),昼間は37℃前半で,弛張熱を呈した.感冒様症状なく,尿検査,胸部レントゲン写真異常なし.尿培養,血液培養,点滴カテーテル培養陰性.WBC 7900 CRP 1.47.妊娠27週2日ウテメリンの副作用を疑い投与中止したところ解熱した.その後発熱が認められなかったため,妊娠27週6日投与再開したが,翌日夜再度発熱(39.1℃)し,肝酵素も上昇(AST 46 ALT 111)したため,代替薬として妊娠30週6日から32週6日までブリカニールを点滴投与した.胎児心不全徴候がみられ,妊娠33週3日帝王切開により2570 gの男児をApg 2/2頭位で娩出.母体術後経過良好であった.児は出生直後開胸一時的ペースメーカー挿入,日齢4永久ペースメーカーに交換し,経過良好である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
353-353, 2005
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