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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
子宮筋腫(1) 閉経後に発見された巨大子宮筋腫の一例
高野 忍, 大塚 伊佐夫, 杉林 里佳, 山本 由紀, 古賀 祐子, 古澤 嘉明, 藤原 礼, 己斐 秀樹, 鈴木 真, 清水 幸子, 亀田 省吾
亀田総合病院産婦人科
子宮筋腫はエストロゲン依存性の良性腫瘍と考えられており,閉経後は縮小するのが一般的である.今回,閉経後に発見された巨大子宮筋腫の一例を経験したので報告する.症例は78歳,2回経妊2回経産.閉経50歳.5年ほど前から徐々に下腹部膨満感があり,高血圧症で通院していた近医にて精査を勧められ来院した.不正性器出血はなかった.身体所見では,腹部に臍上3横指におよぶ成人頭大,弾性硬の腫瘤を触知.腹部CTでは,25×14×23 cmの骨盤内腫瘤を認め,腫瘤の右辺縁に子宮内膜と思われる構造があり,子宮原発の腫瘍と考えられた.造影MRIでは腫瘍は濃染され,hypervascularな腫瘍であることが予想された.血中のホルモン値はE2 13 pg/ml,FSH 53.8 mIU/mlと正常範囲内であった.悪性腫瘍の可能性もあり,開腹手術を行なった.開腹すると,著明に増大した子宮が認められた.また,子宮の底部の表面には,漿液性の液体を入れた嚢胞が認められた.子宮に分布する各血管は著明に拡張していた.肉眼的には悪性の所見はなく,腹式単純子宮全摘術,両付属器摘出術を施行した.病理学的には,筋腫が多発しており,最大径は約25 cm,一部で,硝子化が目立ち,石灰化も認められた.明らかな悪性像は証明されなかった.術後は,一過性の尿閉が出現したが,徐々に改善し,術後14日目に軽快退院した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
358-358, 2005
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