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<< 学会誌へ戻る 子宮粘膜下筋腫や内膜ポリープといった子宮内腔病変は，不正性器出血，過多，過長月経，不妊症などの原因として重要である．今回われわれは，子宮内腔を覆い尽す無数の子宮粘膜下筋腫および内膜ポリープを切除後に，自然妊娠にいたった症例を経験したので報告する．症例は，28歳，0経妊0経産，月経周期は32日型であったが，約2週間持続するため，過長月経を主訴に当科を受診した．超音波上，子宮内膜は厚く，通常の高エコー域の中に不規則に低エコー域が混在しており，子宮内腔病変の存在が強く示唆されたため，精査を行うこととなった．子宮卵管造影では子宮内腔に幾つもの陰影欠損を認め，子宮鏡では内腔に突出する無数の隆起性病変が確認された．以上より子宮内腔を覆い尽くす多発粘膜下筋腫の診断にて，子宮筋腫核出術を行うこととなった．手術は，子宮体部を縦切開し，子宮内腔に発生した無数の結節性病変をクーパーにて削ぎ落とすように切除し，子宮内腔癒着防止のため避妊リングを挿入し終了した．病理診断は，内膜ポリープ，平滑筋腫の混在したものであった．術後6ヶ月で避妊リングを抜去し，タイミング法による治療を行った．1回の初期流産の後，自然妊娠し現在妊娠27週で母児ともに経過良好である．一度子宮内膜をすべて削り取るほどの手術を行った後に，妊娠に至った希少例と考え，若干の文献的考察を加え報告する． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 359-359, 2005 |
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