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<< 学会誌へ戻る 卵管に発生する腫瘍は極めて稀である．今回，我々は卵管原発と考えられた成熟嚢胞性奇形腫の一例を経験したので報告する．症例は，35歳0回経妊，既往歴に特記すべきことなし．結婚歴2年，卵管性不妊の精査目的で当院紹介となった．子宮卵管造影検査にて子宮内腔は正常，左卵管は疎通性を認めたが，右卵管は卵管内に造影剤の停溜を認めた．24時間後の撮影では造影剤の拡散不良と右卵管留症を認めた．また血清クラミジア陽性であった．不妊の精査加療目的にて腹腔鏡検査を施行した．腹腔内所見：両側卵管，卵巣はクラミジアによると思われる癒着を認めたため癒着剥離術を施行した．右卵管に留症を認め，左卵管には特に異常を認めなかったが，卵管采部分に約20×10 mm大の硬度硬の腫瘍を認めた．腹腔鏡下手術：右卵管留症には卵管開口術，左卵管采腫瘍は腫瘍摘出術を施行し手術を終了した．摘出した腫瘍の病理組織検査は，成熟嚢胞性奇形腫であり，成熟した脂肪組織内に血管，線毛円柱上皮に覆われた腺管が含まれる部分，軟骨，混合腺，杯細胞に富む腺管や筋上皮を有した腺導管部分，平滑筋などで構成された部分等の組織が認められた．卵管に発生する成熟嚢胞性奇形腫について，若干の文献的考察を加えて発表する． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 365-365, 2005 |
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