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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍(2)
診断に苦慮した卵巣成熟奇形腫の1例


小原 久典, 清水 元彦
北信総合病院産婦人科


 今回我々は,術前MRIにて特異的な像を呈した卵巣成熟奇形腫の1例を経験した.症例は45歳.前医にて施行された腹部CTにて腹部腫瘤を認め,当院を紹介され受診した.臍上4横指に及ぶ腹部腫瘤を認めた.MRIにて18×15 cmの下腹部から骨盤内を占める嚢胞状の腫瘤を認め,内部にはT1強調像,T2強調像で共にhigh intensityを呈する円形の結節状陰影が均一に認められ,脂肪抑制は受けなかった.卵巣腫瘍の診断にて腹式単純子宮全摘術,右付属器切除術を施行.腫瘍の肉眼所見では,内部に毛髪を含む白色の脂肪が球状になり散在し,球状の脂肪の周囲には少量の漿液性黄色の液体を認め,術中迅速細胞診は成熟奇形腫であった.今症例のような特異的なMRIの像を呈する卵巣成熟奇形主の報告は少ない.今症例に考察を含め発表する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 365-365, 2005


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