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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍(3)
エストロゲン高値を呈した卵巣粘液性嚢胞腺腫の一例


渡邉 由紀子, 千島 史尚, 高田 眞一, 山本 樹生
日本大学医学部附属板橋病院産婦人科


 卵巣腫瘍において粘液性嚢胞腺腫はしばしばみられるが,今回我々はエストロゲン高値を呈した粘液性嚢胞腺腫を経験したので報告する.症例は68歳,性器出血を主訴に近医を受診したところ,小児頭大の下腹部腫瘍を指摘され当院へ紹介受診となった.受診時,腟鏡診にてエストロゲン性変化が疑われ,E240.9 pg/mlと高値であった.腫瘍マーカーはCA125 10.5 U/ml,CA19-9 24.0 U/mlと正常範囲であった.MRI検査で骨盤部に直径約8×12 cmの多房性腫瘍を認めた.細胞診は頸部・腟部及び内膜ともに悪性の所見は認めなかったがエストロゲン効果を認めた.精査・加療目的に当院入院し,手術を施行した.開腹所見では,腹水は少量,左卵巣は約15cm大に腫大していたが,右卵巣及び子宮は正常であった.左右の卵巣静脈より採血を行った後,左付属器切除術を行い迅速病理診断に提出したところmucinous cystadenomaであったため,単純子宮全摘術と右付属器切除術を行った.左卵巣静脈血中のE2は460 pg/mlと右卵巣静脈血・末梢血と比較し高値であり,末梢血でのE2は術後速やかに低下した.病理組織検査にて,左卵巣の粘液性嚢胞腺腫であると診断されたが,高エストロゲン状態は,腫瘍の間質部における反応性黄体化細胞の存在による可能性が考えられた.術後経過良好にて退院し外来にて経過観察中である.腫瘍のエストロゲン産生を病理組織学的に診断することは困難であるが,術中の卵巣静脈からの採血はこの診断に有用であると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 368-368, 2005


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