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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
その他の腫瘍
障害者施設より紹介された2症例


佐藤 綾, 石川 雅彦, 横井 夏子
横浜市立大学附属病院産婦人科


 重度の脳障害をもつ患者は苦痛の訴えを表現することが出来ず,症状を見逃されてしまう可能性があると考えられる.今回我々は,痛覚は正常であるが長期間診断を得ることが出来なかった障害者施設より紹介された2症例を経験したので報告する.【症例1】39歳,脳性麻痺のため長期臥床.腹部単純写真で骨盤内石灰化を指摘され,内診や腹部MRIなどより約10 cm大の腟結石と診断した.全身麻酔下に開腹腟結石除去術を施行し370 gの結石を摘出,結石の中に核となるような異物も認めなかった.膀胱腟ろうもないことを確認した.腟結石は,何らかの原因で腟内に尿が長期にわたり貯留,停滞することにより生じる.【症例2】51歳,重症脳障害のため長期臥床.腹部単純写真で石灰化を含む腫瘤陰影を認め,腹部MRIにて7.0×5.5 cm大の卵巣嚢腫様の腫瘤を認めた.内診でかなり可動性良好な腫瘤であったため,捻転の可能性を考慮し摘出の方針とした.全身麻酔下で腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術施行,骨盤内を観察したところ腫瘤を認めず,左付属器も認めなかったため術中腹部単純写真施行したところ,上腹部に腫瘤陰影を認めた.卵巣嚢腫が茎捻転後に自然離断し腹腔内を移動したと考えられた.付属器茎捻転はそれほど頻度の多くないが,いくつかの報告が散見された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 369-369, 2005


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