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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
その他の腫瘍
子宮動脈塞栓術(UAE)が有効であった巨大子宮内膜ポリープの一例


須賀 新, 荻島 大貴, 山田 由季, 卜部 麻子, 加塚 有紀, 金田 容秀, 太田 剛志, 高橋 晃, 宮井 健太郎, 寺尾 泰久, 吉田 学, 木下 勝之
順天堂大学医学部産婦人科


 大量性器出血を認め,緊急子宮動脈塞栓術(UAE)により,出血をコントロールし,非観血的に治療し得た巨大子宮内膜ポリープの一例を経験したので報告する.症例は,39歳,0経妊0経産.既往歴,家族歴ともに特記すべき事項なし.月経周期は30―35日周期,比較的整であった.平成16年4月頃より月経量の増加を認めていたが,放置していた.7月初旬過多月経を主訴に当科受診した.腟鏡診で子宮口より腟内に突出する約5 cm大の腫瘤を認め,同時に持続する大量出血を認めたため,緊急入院となった.入院時Hb5.6 g/dlと貧血を認め,MAP4単位緊急輸血施行しつつ,MRI画像検査施行した.画像上子宮内膜は著しく肥厚し,それより連続する約5 cm大の腟内腫瘍を認めた.悪性腫瘍との鑑別の為に,迅速病理診断を施行した結果,子宮内膜ポリープの診断を得たため,同日緊急両側子宮動脈塞栓術施行し,翌日より出血量が減少した.UAE施行3日後に撮影したMRI上腫瘍径は約1/2まで減少し,出血量も著しく減少した為,静脈麻酔下子宮内容除去術施行した.摘出した病変は約3 cm大,病理検査上,出血性子宮内膜ポリープであった.その後外来で3クールカウフマン療法施行し,MRI上ポリープ,内膜の肥厚は認めず,クロミフェン療法で排卵周期を是正し,現在未治療で経過観察中である.今回,子宮内膜ポリープに対して,UAEが有効であった症例につき,文献的考察を交えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 370-370, 2005


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