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<< 学会誌へ戻る Benigh Multicystic Mesotherioma of the Peritoneum（BMMP）は骨盤腹膜および臓側・壁側腹膜から発生する比較的まれな腫瘍である．その発生部位，症状，画像所見が卵巣腫瘍と類似することから術前診断が困難で，開腹時に診断されることが多い．組織学的には良性とみなされているが再発率が高く術後の慎重な経過観察が必要な疾患である．今回われわれは後腹膜原発BMMPの一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する．症例は28歳，0経任0経産，3〜4年前から軽度の下腹痛を認めた．下腹痛増強のため近医受診，腹腔内嚢胞状腫瘍あり，CRP6と上昇を認め腹膜偽粘液腫疑いの診断で試験開腹術を施行された．腹腔内に多嚢胞性の腫瘍を認め左卵管切除，腫瘍の部分切除を施行し術後病理診断でBMMPを診断された．精査加療のため当院紹介，術後2ヶ月目に当科初診した．初診後2ヶ月で腫瘍の増大を認め，CA125:30 U/ml，CEA:1.5 U/ml，CRP:0.1，MRIにて骨盤内を中心とした多嚢胞性の腫瘍を認めた．開腹時，腫瘍は後腹膜および子宮と癒着した多嚢胞性の11×5×2 cmの腫瘍で，腹腔内腹膜，大網に多数の播種病変を認めた．骨盤内腫瘍摘出術，大網切除術，虫垂切除術を施行し，可能な限り完全摘出を行い残存嚢胞は焼灼した．免疫組織学的にはCD31，FactorVIII陰性で中皮由来と診断された．術後3ヶ月経過し再発兆候はなく経過観察中である． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 371-371, 2005 |
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