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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
卵巣癌(4) リンパ節転移を認めた卵巣境界悪性腫瘍の1例
青木 宏明1), 西井 寛1), 小倉 麻子1), 石塚 康夫1), 鈴木 永純1), 中林 豊1), 礒西 成治1), 安田 允1), 田中 忠夫2)
東京慈恵会医科大学附属第三病院産婦人科1), 東京慈恵会医科大学産婦人科2)
卵巣境界悪性腫瘍の90%はI期であり,予後は一般的に良好であるとされているが,一部に進行例もあり悪性腫瘍と同等な扱いを受ける症例も存在する.今回我々はリンパ節転移を認めた卵巣境界悪性腫瘍を経験したので報告する. 症例は48歳,2経妊2経産.平成13年8月より前医で子宮筋腫にて経過観察されていた.平成14年8月になってCA125が346 U/mlと上昇,子宮の右側に筋腫あるいは卵巣腫瘍疑いの腫瘍を認め,当院紹介受診となった.平成14年11月開腹術を施行した.腹腔内は血性腹水少量,右卵巣は鵞卵大腫瘍を認め,腫瘍は一部破綻,乳頭状発育を認めた.ダグラス窩に腫瘍の一部を認め,ダグラス窩から仙骨子宮靭帯に2 cm大の浸潤を認めた.膀胱腹膜,S状結腸にも粟粒大から米粒大の腫瘍を認めた.左右骨盤内リンパ節にも腫脹を認めたたため,単純子宮全摘,両側付属器摘出術,大網切除,骨盤リンパ節郭清を施行した.病理診断はserous tumor of borderline malignancy,pT2cN1M0,StageIIIc,腹水細胞診はclassVであった.術後化学療法を3コース施行した.術後2年7ヶ月経過した現在外来にて経過観察中であるが再発徴候は認めていない.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
376-376, 2005
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