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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
外陰・腟癌
外陰部扁平上皮癌の肺転移に対してネダプラチン療法が著効した一症例


渡邊 一弘, 羽生 真由子, 加村 和雄, 後藤 友子, 大澤 洋之, 梶原 健, 三木 明徳, 岡垣 竜吾, 藤村 正樹, 小林 浩一, 石原 理
埼玉医科大学病院産婦人科


 今回我々はネダプラチンが著効した外陰癌肺転移の一症例を経験したので報告する.症例は72歳1回経妊1回経産.平成15年4月外陰部腫瘤の増大を自覚し当科受診.同部位の組織診を施行され扁平上皮癌と診断された.腫瘍マーカーはSCC6.7 ng/mlと上昇し,骨盤CTにて右鼡径リンパ節に転移を認めFIGOIII期の外陰癌と推定された.年齢や患者家族背景,ご本人の希望を考慮して放射線療法を選択しtotal 60Gyの外照射を施行した.その後臨床的には腫瘍の消失が認められたため外来にて経過観察されていた.平成16年10月より左鎖骨上リンパ節腫大を認め,胸部CT上多発肺転移が認められた.外科にて左鎖骨上リンパ節穿刺吸引細胞診を施行されclassV(squamous cell Ca)を検出.その後脊椎転移による両上下肢の麻痺及び疼痛も生じ,外陰癌再発との診断にて加療目的に平成17年1月当科入院となった.入院後頚髄(C7),胸髄(Th10)の病変部に対してそれぞれ60 Gyの外照射を施行した.施行に伴い下肢痛の疼痛は軽減された.さらに肺病変に対する治療としてネダプラチン単剤による治療を4週間ごとに3コース施行.血小板低下の副作用を認めたため2回目,3回目は減量して施行した.2コース目の化学療法施行後より上下肢麻痺の改善傾向を認め,SCCも低下傾向を示した.3コース目の化学療法施行後には軽度下肢の麻痺を認めるのみにまで症状が改善し,SCCの陰性化,胸部CT上肺転移巣の著明な縮小を認めた.その後骨髄回復不良のため予定していた4コース目の化学療法は中止となり,リハビリのため他院転院となった.ネダプラチン単剤療法は外陰部扁平上皮癌の肺転移症例に対して有効である可能性が示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 387-387, 2005


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