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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
外陰・腟癌
急性骨髄性白血病の膣浸潤の一例


鈴鹿 清美, 加藤 一喜, 大崎 達也, 田中 尚武
千葉県がんセンター婦人科


 【はじめに】急性白血病は,増殖細胞の帰属から大別され,約80%が骨髄性である.その経過中に腫瘤形成は稀であるが,今回我々は急性骨髄単球性白血病(FAB分類M4)の膣浸潤例を経験したので,その臨床経過,細胞診所見,組織診所見,画像を報告する.【症例】症例は59才,6経妊6経産,既往歴,家族歴に特記すべきことなし.2002年感冒様症状にて発症の急性骨髄単球性白血病で,初回化学療法で寛解を得,地固め療法3コース後,外来経過観察するが,最終化学療法より4ヶ月で感冒様症状,血小板減少,末血像に芽球増加みられ再発,再度化学療法で寛解,自家末梢血幹細胞移植施行.その11ヶ月後再度再発し,化学療法中であった.今回再発頃より不正性器出血みられ,2005年5月婦人科受診時,膣壁に5x4 cmの板状硬の腫瘤みられた.膣癌を疑い,細胞診,組織診施行.細胞診では小円形細胞が孤立散在性に出現しており,上皮性結合はみられず,血液系の腫瘍細胞が考えられた.組織診では異型のない膣壁と思われる扁平上皮と,組織内に小型腫瘍細胞の浸潤が多量に見られ,腫瘍細胞に結合性や特徴的な配列は見られず,急性骨髄性白血病の膣浸潤と診断した.MRI,CT所見で他に腫瘤はみられず,子宮頚部から右前膣壁に沿うように5x4cmの腫瘤がみられた.現在も化学療法続行中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 389-389, 2005


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