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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
不妊・内分泌 LOD効果により妊娠に至るも,17ヶ月後にはその効果が消失した重度の排卵障害があったPCOSの一症例
安藤 直子1), 鈴木 紀雄1), 御子柴 尚郎1), 中山 健1), 近藤 哲郎1), 栗城 亜具里1), 小川 公一1), 高橋 諄1), 河村 栄一2)
昭和大学横浜市北部病院産婦人科1), 大口東総合病院産婦人科2)
PCOS(Polycystic ovarian syndrome)は,月経異常,不妊症,男性化,肥満などの症状を呈する症候群である.不妊症を主訴とするPCOS患者に対する排卵誘発方法としてはクロミフェンが第1選択薬剤となり,無効例に対してはhMG-hCG療法が行われている.一方最近の内視鏡の進歩とともに,産婦人科領域においても腹腔鏡が広く行われるようになり,PCOSについてもLOD(Laparoscopic ovarian drilling)治療が導入された.PCOSに対するLOD治療の有効性についてはこれまでに多数の報告があるが,その効果の持続性,長期予後に関する報告はほとんど認められない.今回我々は,不妊症を主訴に来院され,LOD後妊娠に至るも,17ヶ月後にはその効果が消失したPCOS症例を経験したので報告する.症例は28歳,0G0P,不妊症精査,加療目的にて初診.1:無月経2:LH10.3,FSH4.3 3:LH-RH-TRH testにてLH過剰反応4:超音波検査にて卵胞の嚢胞状変化が認められ,PCOSによる不妊症と診断し,クロミフェン治療施行するも排卵せず,hMG-hCG療法に変更.Pure FSH 150 mgから投与開始し,450 mgまでstep upするも排卵せず.LOD施行したところ,LH/FSH正常化し,自然排卵は認められなかったが,Pure FSH投与量は激減し,単胎妊娠に至る.しかし,この妊娠は流産し,流産3ヵ月後に再度Pure FSHにて排卵誘発施行するも,step down法にて開始量675 mgにてやっと排卵認められ双胎妊娠に至った.LOD施行時より17ヶ月経過していた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
390-390, 2005
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