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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
その他(3)
Bowen様丘疹症の1症例


長谷部 敏朗, 川名 尚, 田中 誠治, 松見 泰宇, 村田 照夫, 西井 修
帝京大学医学部付属溝口病院産婦人科


 Bowen様丘疹症(bowenoid papulosis)は若年者の陰唇,肛囲など外陰部に多発性ないし融合性の黒褐色小丘疹を特徴とする疾患である.本症は高率にHPV16型感染を伴い,組織学的には疣贅状(コンジローマ様)のVIN3と区別しがたく,いわゆる上皮内癌もしくはBowen病に類似した病変である.しかしながら病変の自然消退を特徴とする良性の臨床経過をとることが多いことから,上皮内癌とは異なる独立した疾患と考えられている.今回我々は再発を繰り返すコンジローマ様丘疹に対し,皮膚生検によってBowenoid papulosisと診断,ポドフィリン・5-FU軟膏が奏効したので報告する.
 患者は27歳,1経妊0経産.平成15年7月頃より外陰部に数個の小腫瘤を認め次第に増大してきた為,翌平成16年7月当科紹介受診.尖圭コンジローマと診断しポドフィリン塗布し病変消失するも,数ヶ月後再発.翌平成17年2月皮膚生検施行しBowenoid papulosisと判明.同4月入院の上5-FU軟膏等の塗布にて病変消失し,以後外来にて病変出現時ポドフィリン塗布し経過観察している.
 本疾患は基本的に良性の疾患ではあるが局所再発が認められたり,浸潤癌への進展例あるいは浸潤癌との共存例の報告もあり,その病態に関しては議論もある.尖圭コンジローマの再発例・治療難渋例に対しては皮膚生検や子宮頚部・膣等の病変の有無にも注意が必要であろう.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 392-392, 2005


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