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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
その他(3) パクリタキセル投与後のHypersensitivity Reactionの検討
東郷 敦子1), 村松 俊成1), 三塚 加奈子1), 塚田 ひとみ1), 飯田 哲士1), 前田 大伸2), 平澤 猛1), 宮本 壮2), 村上 優3), 和泉 俊一郎1)
東海大学医学部産婦人科1), 東海大学八王子病院産婦人科2), 東海大学大磯病院産婦人科3)
【はじめに】婦人科癌におけるパクリタキセル(PTX)はKey Drugの一つであり,その治療効果が期待されている.一方PTX溶剤(ホリオキシエチレンヒマシ油)によるHypersensitivity Reaction(HR)は見逃せない副作用である.今回当院におけるHRについてまとめたので報告する.【対象と方法】2002年1月から2004年12月までにのべ99例(卵巣癌51例,子宮体癌43例,子宮頚癌4例,膣癌1例)にPTX 175mg/m2+Carboplatin(AUC5)(TJ)療法を施行した.治療は投与ガイドラインに沿って,過敏反応の発現防止目的で塩酸ジフェンヒドラミン50 mg経口投与と,デキサメタゾン20mgの静脈内投与を行い,PTXの3時間点滴静注を行った.【結果】治療患者99例のうち,HRの発現は10例(10.1%)に認められた.症状は発疹,掻痒感が全例に出現.重症例は1例(29歳,卵巣癌)で,PTX投与直後に呼吸困難が出現し,SpO2の著名な低下を認め,共通毒性規準のGrade3に相当すると考えられた.【結論】HRはPTX投与後全例15分以内に出現,一例は重篤な呼吸困難を認めた.PTX投与中の厳重な管理と対応が必要であり,治療開始前の十分なインホームドコンセントが必要と思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
392-392, 2005
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