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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))
【一般演題】
その他(3) 当院におけるTVT手術の成績
田村 直顕, 石川 賀子, 和田 久恵, 宮部 勇樹, 木村 聡, 幸村 康弘, 小澤 英親, 大井 豪一, 西口 富三, 金山 尚裕
浜松医科大学産婦人科
【目的】近年,QOLに影響を及ぼす病態として尿失禁が関心を持たれている.腹圧性尿失禁は中高年女性で頻度が高く,その中でも内尿道括約筋機能不全によるものは重症に陥りやすい.当院では1999年よりTVT手術を施行しており,今回この治療成績について報告する.【方法】対象は1999年8月から2005年4月までに当院で施行されたTVT手術49症例.尿失禁のタイプは立位経会陰超音波(US)で,また,重症度はストレステストおよびパッドテストにより評価した.TVT手術は腰硬麻で行い,QOL質問表並びにUS所見を用いて手術効果を評価するとともに,合併症についても検討した.【結果】(1)今回の検討症例49例全例がタイプ3(一部3+2を含む)の重症例であった.(2)TVT手術のみ5例,性器脱に対する手術を併用したのは44例であった.(3)手術効果については全例が有効であり,最長術後約3年を経過した現在でも持続している.(4)術中合併症は,膀胱穿刺が4例であったが,血腫発症例は1例もなかった.(5)術後合併症は,排尿困難5例であった.その内,テープ半切断を要したのは2例であった.抗コリン剤などの投薬を必要としたのは3例であった.なお,感染やテープ露出例はみられなかった.【考察】TVT手術は侵襲が小さく,minimally invasive surgeryに値する.当院では,TVT手術を始めて約6年経過しているが,重篤な合併症もなくその成果についてはほぼ満足の得られる結果であった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3)
393-393, 2005
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