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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【ランチョンセミナー5】
男性不妊症の原因究明とその治療;最近の知見


岩本 晃明
聖マリアンナ医科大学泌尿器科


 ARTの全盛時代に入って今までに絶対不妊と考えられていた男性因子の非閉塞性無精子症例にも精巣内精子が採取可能となって挙児希望のカップルに福音をもたらしていることも事実である.しかしながら顕微受精の安全性の問題,保険適応にならない自費による高額な医療費の負担,将来の日本の浮沈に関わる少子化の歯止めのためにも,そして何よりも自然の夫婦生活による挙児を希望するカップルのためにも,男子不妊症の原因解明に以前にも増して力を注がねばならない.
 演者らは以前より精子無力症の原因究明の研究を行ってきた.これまでにクローニングに成功した精嚢分泌タンパク質Semenogelin(Sg)と,これを前駆体とする精子運動抑制因子(SPMI)の関与する精子運動調節機構の解明に取り組んできて精子無力症で問題となるのは,SPMIの方ではなく,受け手である精子側の問題であることが強く示唆された新しい知見を得た.また精巣生検で得られた組織所見をあらためて検討し直して精細管基底膜の肥厚は造精機能障害の指標になることを見出した.ヒト精子形成機構を探るツール作成のため,免疫不全マウス皮下にヒト成熟精巣片を移植し精子形成維持系の開発を試みた.未成熟ヒトの精巣移植片は免疫不全マウスに精細管構造を保ったまま生着し,精細胞,Sertoli cell,Leydig cell,myoid cellを従来の培養系と比べ長期に維持できること,さらに精原細胞,Sertoli cellについては分化を促し,生体内よりも分化を促進できることが明らかとなった.今後の夢を語りたい.
 次に臨床的には不妊外来症例で無精子から精子の出現が可能になる,すなわち自然妊娠が可能となるhypogonadotropic hypogonadism症例,極めてまれである先天性副腎過形成症例の発見,閉塞性無精子症例の外科的治療,射精障害の治療等々,泌尿器科医が如何に精子の獲得,採取に努力しているのかをご紹介する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 130-130, 2006


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