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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
子宮内膜症
帝王切開術子宮切開創に子宮内膜症性嚢胞を認めた1例


岡崎 寛子, 津田 千春, 井埜 まり絵, 渡邊 敦子, 平野 喜美恵, 佐藤 聡二郎, 鈴木 直, 岩田 正範, 小林 陽一, 木口 一成, 石塚 文平
聖マリアンナ医科大学産婦人科


 症例は44歳,1経妊1経産(帝王切開)の主婦.1ヶ月前より38℃台の発熱および黄色帯下を認め近医受診.MRIにて左卵巣チョコレート嚢腫の感染を疑われたため抗生剤投与されるも,微熱持続しCRP,白血球数の低下認められず,当院受診となった.経膣超音波上,左卵巣に内膜症性嚢腫を疑わせる嚢胞性病変と子宮下部前壁に嚢胞状病変を認めた.CTでも同様の所見であり,左卵巣内膜症性嚢胞の感染および子宮筋層内の膿瘍疑いにて開腹術を施行した.術中所見では左卵巣に内部が膿状のチョコレート嚢腫が認められた.子宮前壁の前回帝王切開創部と思われる部分はやや膨隆し,切開すると内部にチョコレート様の液体貯留を認め帝王切開術創に生じた内膜症と診断,単純子宮全摘術と左付属器切除術を施行した.術後病理にて,左卵巣,子宮の帝王切開創部ともに内膜症の所見が認められた.帝王切開後の腹壁の創部に一致した内膜症は今までに報告が散見されているが,子宮切開創の内膜症は極めて稀であり,興味深い画像所見を呈したので若干の考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 134-134, 2006


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