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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
子宮内膜症 月経困難症および月経前緊張症(PMS)における低用量ピル(OC)の治療成績
吉田 穂波1), 須藤 なほみ2), 松田 美保1), 対馬 ルリ子1)
ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック産婦人科1), 虎ノ門病院産婦人科2)
【目的】当院は総合女性外来として女性のあらゆる心身の訴えに対応している.その初診時の訴えで最も多いものが月経に関するものであり,全ての訴えの32%にのぼる.欧米諸国ではOCは月経異常,特に月経痛やPMSの緩和に広く使用されているが,日本ではOCが認可されてから日が浅く,その使用率はまだ対象年齢の1%程度と低い.今回われわれは月経困難症およびPMS患者におけるOCと漢方薬使用における自覚症状改善効果について比較検討したので報告する.【方法】2005年7月1日から9月30日の3ヶ月間に当院を初診した月経困難症およびPMS患者220名について,子宮内膜症性月経困難症群〔A群;n=19〕,単純性月経困難症群〔B群;n=107〕,PMS群〔C群;n=94〕に分け,それぞれにおけるOCと漢方薬の効果を比較した.また,OC群の世代別・種類別効果も同様に検討した.効果は3ヶ月後の患者の自覚症状改善度に基づき医師が判定し,改善/やや改善/不変/中止の4群に分類した.【結果】A群においてはOC群における改善率が50%と最も高かった.B群ではOC群の改善率は31.3%,C群では29.2%と,いずれも漢方薬より高かった.種類別改善率を一相性と三相性とで比較すると,A群では一相性40.0%,三相性では37.5%,B群では一相性41.7%,三相性31.7%,C群では一相性30.0%,三相性35.0%と差は認められなかった.【考察】OCは種類に関わらず子宮内膜症の症状改善に効果が高いばかりでなく単純性月経困難症とPMSに関しても効果が認められ,患者のQOLを改善する上で有用であることが示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
135-135, 2006
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