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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩1
骨肉腫に対する骨盤半載術施行後妊娠の一例


片山 佳代1), 武井 美城1), 葉山 智工1), 八巻 絢子1), 梅津 信子1), 横田 奈朋1), 奥田 美加1), 石川 浩史1), 高橋 恒男1), 遠藤 方哉2), 平原 史樹2)
横浜市立大学附属市民総合医療センター母子医療センター1), 横浜市立大学附属病院産婦人科2)


 骨肉腫は人口100万人に1〜2人の発症であり,なかでも骨盤骨肉腫の頻度は3.5%程度と非常に稀である.好発年齢は10〜25歳と若く,男女比は3:2とされている.骨肉腫の治療法には手術療法・化学療法・放射線療法等があり,肺転移のない場合の予後は5年生存率78%,10年累積生存率は71%程度といわれている.本邦・海外での骨盤半載術施行後妊娠の報告は,検索した限りでは10例程度と極めて稀である.今回我々は腸骨骨肉腫に対して骨盤半載術を施行され,その後妊娠した一例を経験したので報告する.【症例】34歳 0G0P家族歴:特記事項なし.既往歴:27歳時,右腸骨骨肉腫に対して右骨盤半載術(標準的右側骨盤離断術)および化学療法施行.経過:34歳時に自然妊娠,初期から当センターで妊婦健診を行っていた.初診時より子宮は右側に傾いた状態であったが,中期までは特に異常なく経過した.妊娠24週来院時に外陰部の違和感を訴え,診察したところ子宮膣部が膣外に脱出しており,子宮脱と診断された.その後切迫早産徴候は認めなかったが子宮脱のために,妊娠30週頃より排尿困難が出現,また義足の装着が困難となり長時間の両松葉杖歩行・立位にも支障をきたしたため,安静管理目的で妊娠34週に入院,現在に至っている.今後は骨盤形態異常があるため,妊娠37週での選択的帝王切開による分娩を予定している.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 137-137, 2006


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