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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩3 Reversible posterior leukoencephalopathy syndrome(RPLS;可逆性後部白質脳症)を呈した産褥子癇の2例
竹内 はるか1), 小野 恭子2), 大野 珠美1), 松原 直樹1), 山崎 輝行1), 椎名 一雄3), 金井 誠4)
飯田市立病院産婦人科1), 慈泉会相澤病院産婦人科2), 椎名レディースクリニック産婦人科3), 信州大学医学部産科婦人科学教室4)
RPLS;可逆性後部白質脳症は,痙攣,意識障害,視覚異常などを主徴候とし,画像所見として脳後半部(頭頂,後頭葉)を主とした脳浮腫所見を認めるが,臨床的・画像的異常所見が可逆性であるといった特徴を有する症候群である.RPLSをきたす背景因子は多岐にわたり,高血圧脳症,妊娠高血圧症候群,膠原病などの基礎疾患,薬剤性,等が挙げられる.今回我々はRPLSを呈した産褥子癇の2例を経験した.いずれも妊娠中より妊娠高血圧症候群(軽症)を発症しており,経膣分娩の数時間後に産褥子癇発作をきたした.子癇発作の直後または子癇発作に先行して視覚異常(全盲)を伴っており,MRIでは後頭葉を主体に異常信号を認め,薬物療法を行った.両症例とも,視覚異常等の臨床症状およびMRI異常所見は可逆性で速やかに消退した.1例は血液凝固異常所見および肝酵素上昇を伴っていたが臨床症状と一致して軽快した.RPLSを呈した産褥子癇の2例につき,文献的考察を加えて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
140-140, 2006
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